女人高野・室生寺へようこそ!歴史と自然が息づく奈良の秘境で心洗われる旅を

奈良の市街地から少し足を延ばした、奥深い山々に抱かれた宇陀市。
そこに、静かなたたずまいを見せる古寺「室生寺(むろうじ)」があります。
高野山が女人禁制だった時代にも女性を温かく迎え入れたことから「女人高野」の愛称で親しまれ、今も多くの人々を惹きつけてやみません!

国宝の仏像や建築物が自然と見事に調和し、春には可憐なしゃくなげが咲き誇る。
本日は、そんな室生寺の魅力を、余すところなくご紹介します!

室生寺とは?知られざる歴史と「女人高野」の由来

まずは、室生寺がどのようなお寺なのか、その歴史を紐解いていきましょう…。

山岳に開かれた祈りの場

室生寺は、奈良県宇陀市室生にある真言宗室生寺派の大本山です!
その歴史は奈良時代末期、のちの桓武天皇となる山部親王が病に倒れた際にさかのぼります。
親王の病気平癒を願って、興福寺の僧であった賢憬(けんきょう)がこの地で祈祷を行ったところ、みごとに回復したことから、勅命によってお寺が創建されたと伝えられています…!

その後、賢憬の弟子である修円によって伽藍が整えられ、平安時代を通じて山林修行の場として、また様々な宗派の学問道場として重要な役割を果たしました。

なぜ「女人高野」と呼ばれるの?

真言宗の総本山である高野山は、かつて女性の立ち入りを厳しく禁じていました。
それに対し、室生寺は古くから女性の参詣を許していたため、「女人高野」として広く知られるようになりました。

この名が定着した背景には、江戸時代5代将軍・徳川綱吉の母である桂昌院の存在が大きく関わっています!
仏教への信仰が篤かった桂昌院は、当時荒廃していた室生寺の復興に多額の寄進を行いました。
この手厚い庇護が、女性に開かれた寺院としての室生寺の名声を高める一因となったのです!

必見!国宝と自然が織りなす境内のみどころ

室生寺の魅力は、なんといっても山の斜面に点在する美しい堂塔と、そこに安置された貴重な仏像の数々です!
渓流の音に耳を澄ませながら、ゆっくりと境内を巡ってみましょう。

① 優美な仏像の宝庫「金堂(こんどう)」(国宝

鎧坂(よろいざか)と呼ばれる風情ある石段を登った先にあるのが、室生寺の中心的なお堂である金堂です。
平安時代初期に建てられたお堂で、中には国宝や重要文化財に指定された仏像がずらりと並びます。

中央に立つご本尊「釈迦如来立像」(国宝)は、波が翻るような独特の衣のひだ「翻波式(ほんぱしき)衣文」が特徴的な、平安初期を代表する仏像です。
穏やかながらも威厳に満ちたそのお姿は、見る人の心を惹きつけます。元々は薬師如来として造られたと考えられています。
その隣には、優美で女性的な姿が印象的な「十一面観音立像」(国宝)も安置されており、まさに美仏の宝庫です。

② 日本最小の優美な「五重塔」(国宝

金堂からさらに石段を登ると、木々の間にすっと佇む朱塗りの美しい塔が見えてきます。これが室生寺のシンボルともいえる国宝「五重塔」です。

高さ約16mと、屋外に立つ五重塔としては日本で最も小さいことで知られています。
その可憐な姿は周囲の自然と見事に調和し、写真家の土門拳をはじめ多くの文化人を魅了してきました。
法隆寺の五重塔に次ぐ古さを誇り、平安時代初期の建築様式を今に伝えています。

1998年の台風で杉の大木が倒れかかり、壊滅的な被害を受けましたが、全国からの支援により約2年という速さで見事に修復されました。
苦難を乗り越えたその姿は、より一層の輝きを放っているように感じられます。

③ 静寂に包まれたお堂「本堂(灌頂堂)」「弥勒堂」

  • 本堂(灌頂堂)(国宝
    五重塔のさらに奥、最も高い場所に位置するお堂です。
    鎌倉時代に建立され、真言密教で最も重要な儀式である「灌頂(かんじょう)」が行われる神聖な場所です。
    ご本尊の如意輪観音菩薩坐像(重要文化財)が安置されています。
  • 弥勒堂(重要文化財: 金堂の手前にあるお堂です。
    中には、かつて国宝の「弥勒菩薩立像」が安置されていました(現在は宝物殿に移されています)

④ 花の寺としての一面「しゃくなげ」

室生寺は「しゃくなげの寺」としても有名です。
仁王門から五重塔へ続く鎧坂の両脇などを中心に、約3000株ものしゃくなげが植えられています。

例年4月中旬から5月上旬に見頃を迎え、境内は鮮やかなピンク色に染まります。
国宝の建造物と花のコントラストは、まさに絶景です。

⑤ 健脚な方はぜひ「奥之院」へ

五重塔の脇から続く、約400段の急な石段を登りきった先に「奥之院」があります。
弘法大師空海をお祀りする「御影堂」が静かに佇み、より一層神聖な空気に満ちています。
道のりは険しいですが、登りきった後の達成感と静寂は格別です。

拝観案内・アクセス情報

〒633-0421 奈良県宇陀市室生78
電車・バスをご利用の場合
近鉄大阪線「室生口大野駅」で下車。
駅前から奈良交通バス「室生寺行き」に乗車し、終点「室生寺前」で下車(約15分)。
バス停から徒歩約5分です。
お車をご利用の場合
名阪国道「針IC」より国道369号線を経由して約30分。
周辺に有料駐車場があります。
8:30~17:00 (12月1日~3月31日は9:00~16:00)
大人 600円、小人(小学生) 400円
宝物殿は別途必要 400円

まとめ

深い緑、清らかな川の流れ、そして静かに時を刻む国宝の数々。室生寺は、訪れる人の心を優しく解きほぐしてくれるような、不思議な魅力にあふれた場所です。

都会の喧騒を離れ、歴史と自然の中で心静かな時間を過ごしてみませんか。
次の休日は、ぜひ「女人高野」室生寺へお出かけください。

参考資料
  1. 室生寺 – Wikipedia
  2. シャクナゲが見頃 女人高野 室生寺 | きままな旅人
  3. 室生寺:見どころ1〜3|ますます訪ねたくなる奈良
  4. 女人高野「室生寺」を彩るしゃくなげが見頃【宇陀市】 – Yahoo! JAPAN
  5. 室生寺 室生寺とは(歴史、成り立ち、概要、潅頂堂を含める) – 国土交通省
  6. 室生寺 – 西国四十九薬師霊場会
  7. 室生寺|奈良県観光公式サイト公式サイト公式サイト あをによし なら旅ネット|宇陀市|山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア|神社・仏閣
  8. 創建と信仰 – 女人高野 室生寺
  9. 女人高野と桂昌院|室生寺|大本山室生寺 座主/網代智明|特別講話15 – 祈りの回廊
  10. 纏め 女人高野=室生寺+金剛寺+慈尊院+女人堂|やんまあ – note
  11. 室生寺 その1 五重塔
  12. 【室生寺】おすすめの見どころ5選+1 ~歴史やアクセスもご紹介! | ならこじ
  13. 奈良「室生寺」の見どころは?お寺ガール必見の美仏&美建築が目白押し!御朱印もお忘れなく
  14. 室生寺 | 奈良大和 四寺巡礼 | NARA-YAMATO Four Temple Pilgrimage , Hase-Muro-Oka-Abe
  15. 室生寺の国宝彫刻(仏像)
  16. 【国宝仏像】釈迦如来(薬師如来)【室生寺】の解説と写真 – 知欲
  17. 室生寺 釈迦如来立像:六田知弘の古仏巡礼 – nippon.com
  18. 金堂諸仏 国宝「釈迦如来像」「十一面観音像」特別拝観|室生寺 – 奈良県
  19. 大人の修学旅行 奈良 室生寺 – スタッフコラム|あおぞらレディス&マタニティクリニック
  20. 室生寺シャクナゲ見ごろ2025(4月中旬~5月中旬頃) – 奈良ガイド – 奈良ガイド
  21. シャクナゲ開花情報 2025 | 見ごろ速報 – うだ探訪ナビ
  22. 国宝が建ち並ぶ“女人高野”と称される美しい古寺・奈良「室生寺」 | ORICON NEWS
  23. 室生寺:見どころ7〜9|ますます訪ねたくなる奈良
  24. 拝観・交通案内 – 女人高野 室生寺
  25. 【室生寺】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
  26. 室生寺(奈良県/室生)のアクセス・営業時間・料金情報|るるぶ&more.
室生寺写真