【奈良観光】神鹿と燈籠が迎える聖域・春日大社へ。知っておきたい歴史と見どころを徹底解説!
悠久の歴史が息づく古都・奈良。
その中でも、豊かな自然に抱かれ、神秘的な雰囲気をたたえる「春日大社」は、訪れる人々を魅了してやまない特別な場所です。
今回は、世界遺産にも登録されている春日大社の歴史から、必見の見どころ、ご利益、さらには心惹かれる年中行事まで、その魅力を余すところなくご紹介します。
この記事を読めば、あなたの奈良旅行が何倍も楽しく、味わい深いものになるはずです。
1300年の祈りが宿る、朱塗りの社殿
春日大社は、今から約1300年前の奈良時代、神護景雲2年(768年)に、当時の都である平城京の守護と国民の繁栄を祈願して創建されました。
藤原氏の氏神を祀る神社として、朝廷や多くの人々から篤い崇敬を集めてきました。
その神聖さと文化的価値から、春日大社と背後に広がる春日山原始林は、1998年に「古都奈良の文化財」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されています。
なぜ鹿は神の使いなの?
春日大社の創建にまつわる伝説では、主祭神である武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が、茨城県の鹿島神宮から白い鹿に乗って御蓋山(みかさやま)に降り立ったと伝えられています。
このため、奈良の鹿は「神鹿(しんろく)」として古くから大切に保護されており、境内を自由に歩き回る姿は、まさに春日大社の象徴的な風景です。
春日大社の必見!巡るべきスポット7選
広大な境内には、国宝や重要文化財に指定された建造物が数多く点在します。
どこから見ればいいか迷ってしまう方のために、特におすすめのスポットを7つ厳選してご紹介します。
1. 御本殿(国宝)
春日大社の中心である御本殿は、「春日造」という独特の建築様式で建てられた4つの社殿が並び立っています。
20年に一度、社殿を美しくする「式年造替」という制度によって、その輝きが現代にまで受け継がれてきました。
通常は南門の外から拝観しますが、特別参拝を申し込むと、中門の前まで進んでより間近にその荘厳な姿を拝むことができます。
2. 朱塗りの回廊と釣燈籠
御本殿を取り囲むように続く朱塗りの回廊は、まさに圧巻の美しさ。回廊には、全国から奉納された約1,000基もの釣燈籠が吊り下げられています。 一つひとつ意匠が異なり、人々の祈りの歴史を感じさせます。
3. 参道に並ぶ石燈籠
一之鳥居から続く長い参道脇には、約2,000基もの石燈籠が立ち並びます。
苔むした石燈籠が並ぶ光景は、神域への期待感を高めてくれます。釣燈籠と合わせると約3,000基にもなり、日本一の数を誇ります。
4. 夫婦大國社(めおとだいこくしゃ)
縁結びや夫婦円満のご利益で知られる末社です。
日本で唯一、大国主命(おおくにぬしのみこと)とその妻・須勢理姫命(すせりひめのみこと)を夫婦で祀っています。
ハート型の絵馬や、水に浸すと文字が浮かび上がる「水占い」も人気です。
5. 若宮十五社めぐり
人の一生で遭遇する様々な難所を守ってくださる15の神様を巡るコースです。
夫婦大國社で受付をし、それぞれの社を巡ることで、様々なご利益を授かると言われています。 所要時間は約40分ほどです。
6. 春日山原始林(特別天然記念物)
春日大社の神山として、古来より狩猟や伐採が禁じられてきた神聖な森です。
手つかずの自然が広がり、太古の森の姿を今に伝えています。
遊歩道も整備されており、森林浴を楽しむことができます。
7. 国宝殿
春日大社に伝わる約3,000点もの宝物を収蔵・展示する施設です。
国宝や重要文化財に指定された甲冑や刀剣、絵画など、その質の高さから「平安の正倉院」とも称されています。
心を揺さぶる幻想的な祭事
春日大社では、年間を通じて2200回以上もの祭事が行われています。
中でも特に有名な、訪れる価値のあるお祭りをご紹介します。
- 春日若宮おん祭(12月)
国の重要無形民俗文化財にも指定されている、大和一国をあげて行われる盛大なお祭りです。
平安時代から一度も途切れることなく続いており、平安から江戸時代に至る古式ゆかしい時代行列「お渡り式」は必見です。 - 万燈籠(2月節分、8月14・15日)
境内にある約3,000基すべての燈籠に火が灯される、幻想的な神事です。
参道に並ぶ石燈籠と、回廊に揺らめく釣燈籠の柔らかな光が、境内を幽玄の世界へと誘います。
この行事は約800年前から行われてきたと言われています。
アクセスと拝観情報
【交通アクセス】
- 電車・バス
- JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から、奈良交通バス(春日大社本殿行き)で約11~15分、「春日大社本殿」下車すぐ。
- 奈良交通バス(市内循環・外回り)で約9~13分、「春日大社表参道」下車、徒歩約10分。
- 徒歩
- 近鉄奈良駅から徒歩約25分。
- JR奈良駅から徒歩約35分。
【拝観時間・料金】
- 御本社(大宮)参拝所
- 開門時間:6:30~17:30(3月~10月)、7:00~17:00(11月~2月)
- 拝観料:無料
- 御本殿特別参拝
- 受付時間:9:00~16:00
- 拝観料:700円
- 国宝殿
- 開館時間:10:00~17:00
- 拝観料:大人700円
- 萬葉植物園
- 開園時間:9:00~16:30
- 拝観料:大人700円
※祭典などにより拝観時間や料金が変更になる場合があります。
詳細は公式サイトでご確認ください。
まとめ
神聖な森に抱かれ、朱塗りの社殿が映える春日大社。
そこは、悠久の歴史と人々の祈りが積み重なった、まさに日本の心のふるさとのような場所です。
神の使いである鹿たちと触れ合い、数多の燈籠が醸し出す幻想的な雰囲気に浸り、そして神々のご利益に願いを馳せる。
そんな特別な体験が、あなたを待っています。
次の休日は、ぜひ春日大社を訪れて、その奥深い魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
きっと忘れられない、素晴らしい一日になることでしょう。