奈良県桜井市に佇む長谷寺は、「花の御寺(みでら)」として親しまれ、四季折々の美しい自然と荘厳な仏教文化が調和する特別な場所です。
1300年以上の歴史を誇り、西国三十三所観音霊場の第八番札所として、今も多くの人々の信仰を集めています。
ここでは、そんな長谷寺の奥深い魅力について、歴史から見どころ、アクセス方法まで、余すところなくご紹介します!

悠久の時を刻む、長谷寺の歴史

長谷寺の創建は、奈良時代の朱鳥元年(686年)にさかのぼります!
僧侶の道明上人が、天武天皇の病気平癒を祈願して「銅板法華説相図(どうばんほっけせっそうず)」(国宝)を初瀬山の西の岡に祀ったのが始まりとされています…!
その後、神亀4年(727年)には徳道上人が聖武天皇の勅命により、本尊となる十一面観世音菩薩像を東の岡に祀りました。

平安時代に入ると、長谷寺は貴族たちの間で「初瀬詣で」が流行し、『源氏物語』や『枕草子』といった古典文学の舞台としても登場します!
この頃から観音信仰の聖地として広く知られるようになり、多くの女性参拝者で賑わいました。
江戸時代には徳川幕府の庇護を受けてさらに栄え、現在の本堂や仁王門の再建が行われました。

心奪われる長谷寺の見どころ

広大な境内には、国宝や重要文化財に指定された貴重な建造物が点在し、訪れる人々を魅了します!

1. 登廊(のぼりろう)

仁王門をくぐると、本堂まで続く399段の石段を覆うように建てられた「登廊」が現れます!
平安時代の長歴3年(1039年)に、春日大社の社司であった中臣信清が、子の病気が治ったお礼に寄進したのが始まりです。
上・中・下の三廊に分かれており、風雅な長谷型の灯籠が吊るされた光景は、長谷寺の象徴ともいえるでしょう…!
季節の花々が両脇を彩り、特に牡丹の季節は圧巻の美しさです。

2. 本堂(大悲閣)

登廊を登りきった先に現れるのが、国宝に指定されている本堂です!
小初瀬山の中腹、断崖絶壁にせり出すように建てられた「懸造り(かけづくり)」または「舞台造り」と呼ばれる建築様式が特徴で、清水寺の舞台を彷彿とさせます。
現在の建物は、徳川家光の寄進により再建されたものです!
舞台からは門前町や周囲の山々を一望でき、四季折々の絶景が広がります。

3. ご本尊・十一面観世音菩薩立像

本堂に安置されているご本尊は、像高10メートルを超える日本最大級の木造仏像、十一面観世音菩薩立像です!
右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に水瓶を持ち、大きな岩の上に立つお姿は「長谷寺式」と呼ばれ、他の十一面観音像とは異なる独特の様式です。
度重なる火災で何度も再建されており、現在の像は室町時代の天文7年(1538年)に造立されたものです。
その圧倒的な存在感と慈悲深い表情は、見る者の心を深く打ちます…!

4. 五重塔

本堂から少し下った場所には、美しい朱色の五重塔がそびえ立ちます!
昭和29年(1954年)に戦後日本で初めて建てられたもので、「昭和の名塔」とも称されています。
純和様の優美な姿は、周囲の緑と調和し、鮮やかなコントラストを描き出しています。

5. 四季を彩る「花の御寺」

長谷寺は「花の御寺」の愛称で知られる通り、一年を通して様々な花が境内を彩ります!


  • 桜、そして150種類以上、約7,000株といわれる牡丹が咲き誇ります。
    ぼたんまつりの時期は特に多くの人で賑わいます。

  • 梅雨の時期には紫陽花が境内を美しく染め上げます。

  • 境内全体が燃えるような紅葉に包まれ、本堂の舞台からの眺めは格別です。

  • 静寂に包まれた境内では、可憐な寒牡丹が咲き、雪景色もまた格別な風情があります。

年中行事とご利益

長谷寺では年間を通して様々な行事が行われますが、特に有名なのが2月14日に行われる「だだおし」です!
正式には追儺会(ついなえ)といい、東大寺のお水取りと並ぶ大和の代表的な火祭りです。


燃え盛る大松明を持った鬼を法力で追い払う勇壮な儀式で、これを見ると春が訪れると言われています。
この行事は、長谷寺の開祖である徳道上人が閻魔大王から授かった宝印で人々の無病息災を祈ったことに由来すると伝えられています。

拝観案内とアクセス

〒633-0112 奈良県桜井市初瀬731-1
電車の場合: 近鉄大阪線「長谷寺駅」で下車し、徒歩約15分です。
駅からは風情のある門前町が続きます。
車の場合: 大阪方面から:西名阪自動車道「天理IC」から国道169号線、165号線を経由。
名古屋方面から:名阪国道「針IC」から国道369号線、165号線を経由。
駐車場:有料駐車場があります(普通車500円、二輪200円)。
4月~9月:8:30~17:00
10月~11月、3月:9:00~17:00
12月~2月:9:00~16:30
※ぼたんまつり期間などは時間延長があります。
大人(中学生以上):500円
小学生:250円
障害者手帳をお持ちの方:250円(同伴者1名まで適用)

    門前町の散策も楽しみに

    長谷寺の参道には、昔ながらの旅館や飲食店、お土産物屋が軒を連ねています。
    名物の「くさ福餅」や「とち餅」などを味わいながら、散策するのも楽しみの一つです!
    地元の食材を使った料理を提供する食事処もあり、参拝後の休憩にぴったりです。

    まとめ

    奈良県桜井市の長谷寺は、国宝の本堂や日本最大級の観音様といった貴重な文化財だけでなく、四季折々の美しい花々が咲き誇る自然豊かなお寺です。
    悠久の歴史に思いを馳せながら、荘厳な雰囲気と美しい景色に癒されるひとときを過ごしに、ぜひ一度訪れてみてください!

    参考資料
    1. 長谷寺について|歴史や概要を詳しく解説 – BesPes
    2. 奈良県長谷寺、日本一の観音様が見守る読経の声響く花のお寺 – Japan Travel Planner – ANA
    3. 桜に牡丹に紅葉!奈良・花の御寺「長谷寺」で四季の風情を満喫 – ORICON NEWS
    4. 長谷寺|奈良県観光公式サイト公式サイト公式サイト あをによし なら旅ネット|桜井市|山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア|神社・仏閣
    5. 長谷寺 / 本堂へ続く大回廊が歴史を感じさせタイムスリップした気持ちになる – ならかん〜奈良観光紹介〜
    6. 長谷寺 – Wikipedia
    7. ニッポンがあこがれた天空の御寺、その歴史をたどる|長谷寺|社寺なび – いざいざ奈良
    8. 長谷寺(桜井市) | 歴史文献で訪ねる奈良 | 奈良県歴史文化資源データベース「いかす・なら」
    9. 長谷寺:見どころ1〜3|ますます訪ねたくなる奈良
    10. 境内案内|奈良大和路の花の御寺 総本山 長谷寺
    11. 寺宝(像)|奈良大和路の花の御寺 総本山 長谷寺
    12. 十一面観世音菩薩立像 長谷寺
    13. 奈良の長谷寺で楽しむ牡丹と紫陽花の魅力 | 2025 年のリアルなLemon8ユーザー体験
    14. 長谷寺 | ブログ 禅 -Blog ZEN- – 禅文化研究所
    15. だだおしについて長谷寺便り
    16. 勇壮な鬼と火の祭典 長谷寺で「だだおし」 – YouTube
    17. 長谷寺の「だだおし」|奈良大和路の花の御寺 総本山 長谷寺
    18. 入山案内|奈良大和路の花の御寺 総本山 長谷寺
    19. 交通案内|奈良大和路の花の御寺 総本山 長谷寺
    20. 長谷寺|奈良県観光公式サイト公式サイト公式サイト あをによし なら旅ネット|桜井市|山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア|神社・仏閣
    21. 「長谷寺」の門前町から「長谷寺駅」まで続く参道沿いのお店を散策 | 美味いもんグルメ日記
    22. 料理旅館田中屋 | 長谷寺門前町にたたずむお食事処・観光旅館
    23. 長谷寺駅周辺のご当地グルメランキング – 奈良 – じゃらんnet
    長谷寺写真